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スケルトン天井とは?オフィスデザインで人気の理由と注意点を徹底解説

近年、オフィスや店舗で人気を集めている「スケルトン天井」。 天井をあえて仕上げず、配管や配線、構造体をそのまま見せるデザインです。 開放感のある雰囲気や、デザイン性の高さから採用する企業が増えています。 一方で、施工や空調管理などの注意点も多く、見た目だけで判断するのは危険です。 この記事では、スケルトン天井の基本からメリット・デメリット、導入時のポイントまでを詳しく解説します。
【スケルトン天井とは?】

スケルトン天井とは、一般的なオフィスで見られる「ジプトーン天井」や「ボード天井」のように仕上げ材を貼らず、天井の構造体・配管・ダクトなどをむき出しにしたデザインのことを指します。
無骨でスタイリッシュな印象を与え、カフェやコワーキングスペースなどでも多く採用されています。
スケルトン天井の主な特徴
・天井高が上がり、開放感が生まれる
・工事費を抑えられるケースがある
・照明や空調機器を自由にレイアウトしやすい
・デザイン性が高く、個性的な空間演出が可能
【オフィスにスケルトン天井を採用するメリット】
【オフィスにスケルトン天井を導入する際のデメリット】
①開放感と広がりを演出できる
スケルトン天井にすることで、通常よりも天井高が20〜40cm程度高く取れることがあります。
視界が広がることで、オフィス全体が明るく、開放的に感じられます。
特に都市部の限られた空間では「高さ」を活かしたデザインが効果的です。
②スタイリッシュでモダンな印象に
配管やダクトをあえて見せることで、インダストリアル(工業的)なデザインを演出できます。
コンクリートの質感や黒塗装の配管がアクセントとなり、無機質ながらも洗練された空間になります。
③照明演出の自由度が高い
スケルトン天井では、ダクトレール照明やスポットライトなどを自由に配置できます。
エリアごとに照度を変えることで、ワークスペースとリラックススペースを明確に区分することも可能です。
④メンテナンスがしやすい
配管や電線が露出しているため、トラブル時にすぐに点検・修理が行えます。
特に、頻繁にレイアウト変更を行う企業やベンチャーオフィスには大きなメリットです。
【スケルトン天井が向いているオフィスの特徴】
①空調・音環境の調整が難しい
天井を仕上げない分、空調の効率が下がるケースがあります。
また、音が反響しやすくなるため、会議や打ち合わせの際に声が響くという課題もあります。
②美観の維持に注意が必要
配線や配管が露出しているため、ホコリや汚れが目立ちやすい点もデメリット。
定期的な清掃や塗装のメンテナンスが必要です。
③照明・電源の設計が複雑
照明をレールに吊るす形になるため、施工時に配線経路の設計が重要になります。
電源を増設する場合も、天井上部までの配線が必要になるケースがあります。
【スケルトン天井をおしゃれに見せるポイント】
スケルトン天井はどのようなオフィスに適しているのでしょうか。
以下のような企業には特におすすめです。
・開放感を重視したい企業(IT・クリエイティブ系など)
・ブランドイメージとして“ラフさ”や“自由”を打ち出したい企業
・少人数で静かな空間を活かしたいスタートアップ
一方で、コールセンターや医療系など、静粛性や清潔感を重視する業種には不向きです。
【スケルトン天井のコストは意外と高くつく⁉】

スケルトン天井を取り入れる際には、次のポイントを意識するとデザイン性がぐっと高まります。
・配管やダクトを黒やグレーで統一し、全体を引き締める
・間接照明やペンダントライトで光の層を作る
・天井以外の壁や床をシンプルに仕上げてバランスを取る
・植物や木目の家具を組み合わせ、無機質さをやわらげる
上記のように、素材や色のコントラストをうまく使うことで、洗練された印象に仕上がります。
【スケルトン天井導入の流れ】
スケルトン天井は「仕上げを省く=安くなる」と思われがちですが、実際はケースによって異なります。
仕上げ材が不要な分、初期工事費は抑えられるものの、
照明器具の追加や塗装仕上げを施すことで結果的に通常天井と同等、またはやや高額になることもあります。
見た目だけで判断せず、以下のようなコスト項目を確認しておくことが重要です。
・ダクト・配線の整理費用
・塗装や耐火処理費用
・照明機器や配線レイアウトの設計費
・将来的なメンテナンスコスト
また、作られた既存の天井を解体してスケルトンにする場合、上記費用と解体費、配線費が追加で発生することにも注意が必要です。
【まとめ|スケルトン天井はデザインと機能のバランスが鍵】
導入は、次のような流れで進めるのが一般的です。
1. 現場調査・構造確認
2. 天井撤去と配管の整理
3. 照明・空調の再配置
4. 塗装や仕上げデザインの調整
5. 最終チェック・清掃
特に、古いビルでは配管や配線の老朽化が進んでいることもあるため、事前調査を入念に行うことが必須です。
【まとめ|スケルトン天井はデザインと機能のバランスが鍵】
スケルトン天井は、開放的で洗練された印象を与える人気のデザインです。
しかし、音環境や空調効率、清掃コストなどの課題もあるため、導入には計画性が求められます。
見た目だけにとらわれず、業種や働き方に合ったオフィスデザインを検討することが大切です。
もし検討中であれば、内装設計の専門業者に相談し、最適なバランスを見極めて導入を進めると良いでしょう。