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オフィス移転スケジュールの立て方:失敗しないためのステップを解説します!

オフィス移転は、企業にとって大きな転換点です。 「手狭になった」「立地を変えたい」「働き方を見直したい」など、理由はさまざまですが、 共通して言えるのはスケジュール設計の良し悪しが移転の成功を左右するということです。 オフィス移転は、単なる「引っ越し」ではありません。 新しいオフィスの選定・設計・工事・什器手配・ITインフラ・旧オフィスの原状回復まで、複数の工程を並行して進める必要があります。 本記事では、オフィス移転をスムーズに進めるためのスケジュール設計のポイントと、具体的な流れを詳しく解説します。
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【オフィス移転スケジュールの全体像】

一般的に、オフィス移転の準備期間は6〜12か月が理想的です。
企業規模や業種によって前後しますが、以下のような流れが基本となります。
約12〜9か月前 現状分析・移転目的の明確化・移転先候補の検討
約9〜6か月前 新オフィス物件の選定・基本レイアウトの検討
約6〜3か月前 内装設計・工事発注・通信・OA機器の計画
約3〜1か月前 引越し準備・什器購入・退去手続き
移転当日〜 引越し実施・機器の動作確認・社内周知・原状回復工事
このスケジュールをもとに、以下で各フェーズを詳しく見ていきましょう。
【オフィス移転スケジュール計画―約12〜9か月前:現状把握と移転目的の整理】
オフィス移転の第一歩は、「なぜ移転するのか」を明確にすることです。
理由が曖昧なまま進めると、物件選びやレイアウト設計で迷走するケースが多く見られます。
まずは、社内の課題を洗い出しましょう。
・現オフィスの面積や賃料は適正か
・アクセスは社員にとって利便性が高いか
・柔軟な働き方(リモート、出社、ハイブリッド)に対応できているか
・将来的な人員増減を見越したスペース設計になっているか
これらをもとに、「移転の目的書」や「要件定義書」を作成します。
目的を明確にした上で、「立地」「広さ」「コスト」「イメージ」の優先順位を整理しておくことが、次の物件選定フェーズをスムーズにします。
【オフィス移転スケジュール計画―約9〜6か月前:新オフィスの選定と基本計画】
この時期に最も重要なのが、物件選びと基本レイアウトの検討です。
不動産会社と協力しながら複数の候補物件を比較し、立地・面積・コスト・設備条件を基準に検討を進めます。
並行して、オフィスのコンセプトやゾーニング(エリア配置)を考えましょう。
・来客エリア(受付・会議室など)
・執務エリア(固定席なのか、フリーアドレスなのか)
・リフレッシュエリア(カフェ、休憩スペース)
この段階でのポイントは、今後の働き方に合わせた柔軟な設計を意識すること。
在宅勤務やABW(Activity Based Working)に対応できる構成を検討することで、移転後の不満を防げます。
【オフィス移転スケジュール計画―約6〜3か月前:設計・工事・通信インフラの手配】
移転計画の中でもっともスケジュールがタイトになるのがこの時期です。
新オフィスのレイアウト設計・内装工事・通信インフラ・OA機器導入を同時進行で進めます。
『主な作業内容』
・内装設計の確定、工事業者の選定
・電気、空調、照明、配線計画の策定
・ネットワーク構築、電話、複合機、サーバー移設の準備
この時期の注意点は、工事スケジュールの遅延リスクです。
ビルの管理規約によっては夜間工事や騒音制限があるため、施工業者やビル側と早期に調整を行い、余裕をもった日程を組みましょう。
【オフィス移転スケジュール計画―約3〜1か月前:引越し準備と社内周知】
引越しまで残りわずかになると、社内の引越し担当者や各部署との調整が本格化します。
主な準備内容は以下の通りです。
・什器、備品の移動計画の作成
・段ボール、ラベルなどの梱包資材の手配
・固定資産、文書、廃棄物の整理、処分
・新住所、電話番号の変更手続き(取引先・官公庁など)
・什器(デスク、チェア、収納)の手配
・社員への移転マニュアル配布と説明会開催
また、移転当日の動線や搬入ルートの確認も重要です。
エレベーターの利用時間や荷捌きスペースの制限など、当日のトラブルを防ぐためにシミュレーションをしておくと安心です。
【オフィス移転スケジュール計画―移転当日〜:引越し・確認・原状回復】
いよいよ移転当日。
事前の計画どおりに進行しても、思わぬトラブルが発生することもあります。
そのため、現場責任者を中心に「移転指揮チーム」を編成しておくと安心です。
『当日のチェックポイント』
・搬入、搬出ルートの安全確保
・工事後のネットワーク、電話、電源の動作確認
・家具、什器の配置確認
・ゴミ、梱包材の撤去
移転が完了した後は、旧オフィスの原状回復工事が待っています。
退去立ち会い時にビル管理会社の確認が必要なケースも多く、契約内容に沿って工事を行わないと、追加費用が発生することもあります。
原状回復は「退去1〜2か月以内に完了」が目安です。
契約内容をしっかりと確認し、トラブルのないように進めましょう。
【オフィス移転スケジュール計画―オフィス移転後:定着化と振り返り】
新オフィスに移転した後も、やるべきことはまだあります。
新しい働き方や環境に社員がスムーズに馴染むための定着支援が重要です。
たとえば、
・フリーアドレスや会議室予約ルールの運用確認
・執務環境の快適性(照明、温度、音環境など)の再点検
・社員アンケートによる改善要望の収集
移転はゴールではなく、新しい企業文化を育てるスタート地点。
移転後3〜6か月ほどで「移転効果の振り返り会議」を実施し、社員の声を次の改善に活かすことが、長期的な満足度向上につながります。
【移転のスケジュール遅延を防ぐ3つのポイント】
オフィス移転は関係者が多く、スケジュール管理が複雑です。
トラブルを防ぐために、以下の3つを意識しましょう。
・早期の意思決定
経営層の判断が遅れると、設計・施工が圧迫されます。
決裁ラインを事前に明確化しておくことが大切です。
・担当者の一元管理
総務・情報システム・人事・経理など部署横断で関わるため、
「移転プロジェクトチーム」を置き、情報を一本化しましょう。
・外部パートナーの活用
移転コンサルタントや設計・施工会社に早い段階で相談することで、
見落としや工程の重複を防げます。
【まとめ:スケジュール管理が移転成功の鍵】
オフィス移転は、事前のスケジュール設計と関係者の連携がすべてといっても過言ではありません。
最初に十分な時間を確保し、目的と優先順位を整理しておくことで、工事や引越しをスムーズに進められ、余計なコストや混乱を防げます。
オフィス移転は「空間を変える」だけでなく、企業文化や働き方を再設計する絶好の機会です。
長期的な視点でスケジュールを組み、社員が誇りを持てる新しいオフィスを実現していきましょう。
アルファーテクノは、移転作業はもちろん内装工事、インフラ、スケジュール管理に至るまでお客様の負荷を最低限に減らすことができるワンストップサービスを提供しております。
スケジュールの立て方に悩んでいる、移転プロジェクトの進め方がわからない、という方はぜひお問い合わせください。