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バイオフィリアとは?オフィスに自然を取り入れる方法

オフィスに自然の要素を取り入れたいとお考えの総務・経営企画のご担当者様、そしてオフィスの改装や移転を計画されている方に向けた記事です。 バイオフィリアという考え方の基本から、働く人にもたらす効果、実際にオフィスへ取り入れる方法までをご紹介します。 あわせて、見落とされがちな「どの自然素材を選ぶか」という視点についても解説します。同じ木を使うのでも、選び方ひとつで意味合いが変わってくるためです。
【バイオフィリアとは何を指すのか】
バイオフィリアとは、人間が本能的に自然とのつながりを求める性質を指す言葉です。
生物学者のエドワード・O・ウィルソンが提唱した概念で、「生命への愛」という意味を持ちます。
人類は歴史の大半を自然環境の中で過ごしてきました。
都市化が進み、屋内で一日の大半を過ごすようになったのはごく最近のことです。
オフィスに緑や木材、自然光を取り入れると心地よく感じるのは、感覚的な好みというより、私たちの身体に備わった性質によるものだと考えられています。
この考え方を空間設計に応用したものが、バイオフィリックデザインと呼ばれています。
【働く人にもたらす3つの効果】
バイオフィリックデザインがオフィスにもたらす効果は、大きく三つに整理できます。
一つは精神面です。自然の要素が視界に入ることで緊張がやわらぎ、ストレスの軽減につながるとされています。
二つめは業務面で、集中力の回復や発想の広がりが期待できます。会議室にこもり続けるより、緑のあるスペースで話したほうが議論が進んだという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
三つめは身体面で、自然光を取り入れることによる生活リズムの安定や、植物による空気環境の改善などが挙げられます。
【オフィスに取り入れる4つの方法】
実際に導入する方法は、大きく四つあります。
最も手軽なのが植栽の設置です。観葉植物やグリーンウォールを配置する方法で、規模を調整しやすいのが利点です。
次に自然光の活用で、窓際のレイアウトを見直したり、間仕切りをガラスに替えて光を奥まで届かせたりする方法があります。
三つめが自然素材の使用で、木材や石材、土や紙を原料とした建材を内装に取り入れます。
四つめが水や自然音の要素で、小規模なウォーターフィーチャーや環境音を用いる方法です。
このうち、効果が長く持続し、かつ選び方によって企業の姿勢まで表現できるのが、三つめの自然素材です。
【自然素材の選び方で差がつきます】
自然素材を使うと決めたとき、次に問われるのが「どの素材を選ぶか」です。
見た目が自然に見えるかどうかだけで選んでしまうと、実際には木目を印刷したシートだったということも起こり得ます。
本物の自然素材を選びたい場合、手がかりになるのが第三者機関による認証です。
木材であればFSC認証やPEFC認証、国産の間伐材を使った製品であれば全国森林組合連合会の間伐材マーク、環境負荷の少ない物品として国が定めた基準であればグリーン購入法の指定品目が該当します。
こうした認証は誰が見ても同じように確認できるため、社内で予算を通す際の説明材料としても使いやすいという利点があります。
【木毛セメント板という自然素材】
認証のある自然素材の一例が、木毛セメント板です。
木材を細長いリボン状に削った「木毛」とセメントを混ぜて成形した建材で、間伐材を活用した製品は間伐材マークの認定を受けており、グリーン購入法の対象品目にも位置づけられています。
森林の手入れで生じた木材を、長く使う建材として空間に還元できる素材です。
木毛が幾重にも絡み合った独特の表情があり、吸音性や調湿性といった機能面の利点も備えています。
当社では梱包資材メーカー様のオフィス受付にこの木毛セメント板を採用し、来訪される方に企業の姿勢が伝わる壁面をつくりました。
自然素材は、心地よさをもたらすだけでなく、企業が何を大切にしているかを語る手段にもなります。
【植栽は導入より維持が難しい】
一方で、注意しておきたい点もあります。とくに植栽は、導入したあとの維持が課題になりがちです。
観葉植物は水やりや剪定、日照の管理が欠かせず、担当者が不在の期間が続くと枯れてしまいます。
枯れた植物が置かれたままのオフィスは、何もない状態より印象が悪くなります。
規模を広げるほど専門業者によるメンテナンス契約が現実的な選択となり、その分の費用が継続的に発生します。導入を検討する際は、初期費用だけでなく維持費と担当体制まで含めてご判断ください。
【デメリットと現実的な対策】
植栽以外にも、いくつか押さえておきたい制約があります。
自然素材は一般的な仕上げ材より単価が高くなる場合があり、初期費用が膨らみやすいこと。
また、香りや虫を苦手とする社員の方にとっては、必ずしも快適とは限らないことです。
現実的な対策は、全面導入ではなく段階的に始めることです。
まずはエントランスや来客スペースなど、効果が見えやすく面積の限られた場所から着手し、社員の反応を見ながら広げていく。
素材についても、メンテナンスがほとんど不要な木毛セメント板のような建材から取り入れれば、維持の負担を抑えつつ自然の要素を加えられます。
【自然素材は使い終わりまで考える】
もうひとつ、あまり語られない視点をお伝えします。
それは、その素材が役目を終えたあとどうなるかという点です。
自然素材を取り入れて心地よい空間をつくっても、数年後の改装ですべて解体して廃棄してしまえば、環境への負荷という意味では差し引きが合いません。
長く使える素材を選ぶこと、そして貼り替え前提ではない仕上げにしておくことが、実は最も効果があります。
オフィスに自然を取り入れるという行為を、一度きりの演出ではなく、長く続く関係として設計する。
この視点があるかどうかで、取り組みの意味は大きく変わります。
【導入前に決めておきたいこと】
最後に、計画段階で決めておくべきことを整理します。
まず目的です。社員の満足度を高めたいのか、来客に企業姿勢を伝えたいのかによって、投資すべき場所が変わります。
次に維持体制です。誰が管理するのか、外部委託するのか、その費用を毎年の予算に組み込めるのかを事前に確認してください。
そして社員の声を聞くことです。実際に働く人の意見を反映させないまま導入すると、使われないスペースが生まれてしまいます。
この三点を決めてから設計に入ると、導入後の失敗をほぼ防げます。
【まとめ|心地よさを長く続けるために】
バイオフィリアは、人が本能的に自然を求めるという性質にもとづく考え方です。
オフィスに取り入れることで、ストレスの軽減や集中力の回復といった効果が期待でき、企業姿勢を伝える手段にもなります。
大切なのは、見た目の自然らしさだけで選ばないことです。
認証のある素材を選び、維持の体制を整え、使い終わったあとまで見通しておく。
そこまで考えて初めて、心地よさが一過性で終わらずに続いていきます。
当社はオフィスの企画から施工、什器の調達、保守までを一貫してお引き受けしています。自然素材を使った内装をご検討の際は、素材の選定段階からお気軽にご相談ください。
アルファーテクノ編集部
株式会社アルファーテクノの編集部です。
