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欄間オープンとクローズの違いとは?オフィスにおける適切な選択方法を解説

オフィスの内装設計において、壁やパーティションの高さは空間の印象や使い勝手を大きく左右します。その中でも判断に迷いやすい要素が、「欄間をオープンにするか、クローズにするか」という点です。見た目の好みや流行だけで決めてしまうと、実際の運用段階で音や空調、使い勝手に課題が生じることも少なくありません。 本コラムでは、欄間オープンと欄間クローズの違いを整理しながら、オフィス用途に応じた適切な選択方法について、設計・運用の視点から解説します。
【欄間オープンとクローズの基本的な違い】

欄間とは、壁やパーティションの上部、天井との間に設けられる構造部分を指します。
この欄間を開放している状態が「欄間オープン」、天井まで塞いでいる状態が「欄間クローズ」です。
両者の違いは単なる意匠ではなく、音環境、空調効率、視線の抜け方といった実用面に直結します。
欄間オープンは空間全体の連続性を重視した設計であり、欄間クローズは空間ごとの独立性を優先する考え方です。
どちらが優れているかではなく、「どの業務に、どの環境が必要か」を軸に判断することが重要になります。
【欄間オープンの特徴とメリット】
欄間オープンの大きな特徴は、オフィス全体に一体感と開放感を生み出せる点です。
天井が連続して見えるため、実際の床面積以上に広く感じやすく、特に面積が限られたオフィスでは有効です。
設備面では、空調や照明をフロア単位で計画しやすく、将来的なレイアウト変更にも柔軟に対応できます。
一方で、音や話し声が伝わりやすいため、集中度が下がる可能性もあります。
設計段階で、業務内容と音環境の関係を十分に整理しておくことが欠かせません。
【欄間オープンが向いているケース】
欄間オープンは、次のような目的を持つ空間で効果を発揮します。
・部署間の情報共有やコミュニケーションを重視する執務エリア
・圧迫感を避け、視覚的な広がりを確保したいオフィス
・空調、照明の運用をシンプルにしたい環境
これらのケースでは、欄間をオープンにすることで空間のつながりが生まれ、社員同士の距離感も自然に近づきます。
ただし、静音性が求められる業務が多い場合は、他の遮音対策との併用が前提となります。
【欄間クローズの特徴とメリット】
欄間クローズは、壁やパーティションを天井まで立ち上げ、空間を完全に区切る設計です。
最大のメリットは、遮音性と独立性を確保しやすい点にあります。
会議室や応接室、役員室など、用途が明確な空間では、欄間クローズによって業務に集中できる環境をつくれます。
一方で、閉鎖的な印象になりやすく、換気や空調の計画を誤ると快適性が低下します。
欄間クローズを採用する場合は、設備設計とセットで検討することが不可欠です。
【欄間クローズが適しているシーン】
欄間クローズは、空間の独立性や遮音性を高めたい場合に有効ですが、設計にあたっては消防法との関係にも注意が必要です。
パーティションを天井まで立ち上げることで「区画」とみなされる場合があり、その結果、防災設備の追加や変更が求められるケースがあります。
特に以下のような用途では、欄間クローズが選択されやすい一方で、事前確認が欠かせません。
・機密情報を扱う会議室や応接室
・役員室や人事面談スペース
・Web会議や集中作業を行う個室
欄間クローズによって区画が明確になると、
・自動火災報知設備の増設
・スプリンクラーや感知器の追加
・排煙設備や換気計画の見直し
といった防災設備の対応が必要になる可能性があります。
これらは建物の用途や面積、既存設備の状況によって判断が分かれるため、設計段階で消防署や専門業者と協議することが重要です。
遮音性やプライバシー確保というメリットだけで欄間クローズを選択すると、想定外の工事範囲拡大やコスト増につながることもあります。
そのため、欄間クローズを検討する際は、内装設計と防災計画をセットで考えることが、結果的に安全性とコストバランスを両立させるポイントになります。
【欄間オープンとクローズの適切な選択方法】
欄間オープンとクローズは、オフィス全体で統一する必要はありません。
近年は、用途に応じて使い分ける設計が主流です。
執務エリアや共有スペースは欄間オープン、会議室や個室は欄間クローズとすることで、開放感と集中環境の両立が可能になります。
重要なのは、「どの空間で何を優先するのか」を明確にし、その判断を設計に反映させることです。
【欄間設計がオフィス全体に与える影響】
欄間の選択は、日々の業務だけでなく、オフィス全体の印象にも影響します。
・開放的でフラットな企業文化の表現
・落ち着きや信頼感を与える空間演出
・働き方への配慮が感じられる設計
これらは、社員満足度や採用活動、来訪者への印象にもつながります。欄間は細部ですが、企業姿勢を映す要素のひとつです。
【まとめ:欄間オープンとクローズは「目的」で選ぶ】
欄間オープンとクローズの違いは、開放感か独立性かという単純な二択ではありません。
業務内容、働き方、企業文化を踏まえ、空間ごとに最適な選択を行うことが重要です。
欄間は目立たない要素ですが、その選択次第でオフィスの快適性や生産性は大きく変わります。
レイアウトや家具と同様に、欄間設計も戦略的に検討することが、質の高いオフィスづくりにつながります。
アルファーテクノ編集部
株式会社アルファーテクノの編集部です。