パソコンを利用していると、よく「サーバー」という言葉を耳にしますが、実際にサーバーとはどんなものなのか、効率よく利用するためにはどうすればいいのか、詳しくはわからないという方は多いのではないでしょうか。 本記事では、サーバーの概要から利用形態の違いによるメリットとデメリットを解説しています。 サーバーの導入や運用方法にお悩みの方は、是非最後までご一読ください。
サーバーとは”情報の処理やデータの記録をするためのコンピューター”です。
社内にサーバーを導入することで、許可を得た複数のクライアント(※1)がサーバー機(※2)を介してデータを共有することができます。
※1 クライアント
クライアントとは、サーバーへアクセスし利用するパソコン等のコンピューター機器です。
ここで言うクライアントは操作する人物ではなく、あくまでもコンピューターを指します。
よってクライアントの数は利用者数ではなく、利用台数で割り出します。
※2 サーバー機
サーバー機とは、サーバーとして使用される機械を指します。
複数の種類が存在し、オフィス環境によって求められる種類やスペックが異なります。
サーバーには、大きく分けてオンプレミス、クラウド、レンタルの3つの利用形態があり、企業の規模や業務に則った利用形態を選択することができます。
以下にそれぞれの形態ごとの特徴とメリット・デメリットを解説します。
オンプレミスサーバーとは、建物内(on the premises)にあるサーバーを意味し、使用者が管理する施設内にサーバー機を設置して使用します。
本来、サーバーと言えば施設内にサーバー機を設置して使用するのが一般的でしたが、近年のクラウドサービス普及により、それらと区別するために「オンプレミス」という言葉が使われるようになりました。
●メリット[カスタマイズ性、セキュリティ性が高い]
サーバーをオンプレミスで使用するメリットとしては、何と言ってもその柔軟なカスタマイズ性にあります。
導入するOSやソフトウェアを自由に選ぶことができ、運用中の設定や変更も容易に行えるため、自社システムとの連携が取りやすく活用の幅が広がります。
▲デメリット[コストの負担、災害に弱い]
オンプレミスサーバーは、社内で運用するため自由度が高い反面、導入と運用にコストがかかります。
サーバー機自体が高価なのに加え、サーバー環境を構築するためのスペースを確保しなくてはいけなかったり、24時間作動し続けるための電気代や保守等のランニングコストも発生します。
また、災害による停電や水漏れの影響を受けやすく、日々のメンテナンスも欠かせません。
クラウドサーバーとは、クラウドと呼ばれる「インターネット上の仮想基盤」に存在する仮想サーバーを指します。
物理的なサーバー機が不要なため、初期費用を抑えることができ、ネット環境とアカウントさえあれば使用できるのが特徴です。
テレワークの促進や働き方の多様化に伴い、近年ではクラウドサーバーを導入する企業が増えサービスも充実化しています。
●メリット[初期費用の削減、スペックの変更が自由]
クラウドサーバーの最大のメリットは、物理的なサーバーが不要なことです。
サーバー導入のコストがかからず、運用や管理も全てサービス提供者が行い、月々の使用料の支払いのみで利用できます。
そのため、スペックの変更もサービス提供者へ連絡するだけで対応可能で、複雑な設定を必要としません。
▲デメリット[セキュリティ対策が提供者次第、カスタマイズ範囲の限定]
クラウドサーバーは、サービス提供者が環境を構築するため、ある程度のカスタマイズは可能ですが、オンプレミスサーバーと比較すると限定的になります。
また、セキュリティ対策や障害対応もサービス提供者に頼らざるを得ません。
共有サーバーとは、一台の物理サーバーを複数のユーザーで共有して使用するサーバーです。
複数のユーザーで共有する点で、一見クラウドサーバーと同じように見えますが、仮想基盤に専有サーバー環境を構築するクラウドサーバーと違って、共有サーバーではCPUやメモリを共有して使用するケースが多いです。
●メリット[使用料が安い、手軽に使える]
専有サーバー環境を構築する必要のない分クラウドサーバーよりも安く、月額数百〜数千円程度で利用することができます。
更に、ソフトやアプリケーションなどが既に導入された状態から利用できることが多く、手軽にサーバーを利用したい方には最適です。
▲デメリット[運用方法に制限がある、外部の影響を受けやすい]
共有サーバーでは、ひとつのCPUやメモリを共有していることから他のユーザーの影響を受けやすく、他で負荷が大きくなった際は自分も読み込み速度の低下などの影響を受けてしまいます。
また、他のユーザー経由でサーバーにマルウェアが侵入した場合には、個人で注意を払っていたとしても感染してしまう恐れがあります。
クラウドサーバーの普及により出来た「オンプレミスサーバー」という言葉に続き、近年では『オンプレミス回帰』という言葉も出てきました。
その背景としては、クラウドサーバーのメリットに惹かれ利用形態を切り替えたものの、コストパフォーマンスに満足出来ずオンプレミスに戻す企業が少なくないことがあげられます。
サーバーの利用形態には、それぞれメリットとデメリットがあげられますが、企業によってはメリットを感じにくくデメリットばかり目立ってしまうケースもあるため、利用形態の特徴と自社の環境の相性を十分に考慮した上で導入するサーバーを選びましょう。
本記事では、各サーバーを比較してメリットとデメリットを解説してきました。
しかし、先述の通りクラウドサーバーのメリットに魅力を感じて移行したものの、オンプレミスに戻す企業も中には存在します。
サーバーを導入する際はメリットやデメリットに囚われずに、自社の環境に対してどれほどのコストパフォーマンスを発揮できるのかを検討することが重要です。
しかし、「そんな事言っても使ったこともないのにわからない」といった悩みもあるかと思います。
弊社ではサーバー関連のサービスの提供もしておりますので、サーバーの導入やクラウドサーバーへの移行を検討している方は、まずはお気軽にご相談くださいませ。