オフィスに欠かせないアイテムのひとつに複合機があります。 仕事をサポートするのに欠かせない存在ですが、実際にどういったものがあり、何を選べばいいのか詳しい方は少ないのではないでしょうか。 しかし、複合機なんてどれも同じと考え適当なものを選んでしまうと、使いづらさを感じたり、仕上がりに不満を感じたり、後悔する可能性もあります。 本記事では、複合機の概要からおすすめの選び方まで解説しています。 複合機選びのご参考に是非、ご一読ください。
複合機を導入するにあたって、プリンターと比較検討されることがあります。
両者の違いは印刷機能以外の点にあり、プリンターは印刷速度やコスト面において優秀ですが、印刷に特化した機器のため、スキャンやFAXを行う際は別途機器を用意する必要が有ります。
一方、複合機はその名の通り多機能性があり、印刷だけでなくコピー、スキャナー、FAXといった多岐にわたる業務を1台の装置でこなすことができます。
複合機は1台で完結するため、複数の機器を導入する必要がなく、スペース節約や運用コストの削減が可能です。
オフィスの複合機を導入する方法は、主に購入、レンタル、リースの3通りがあります。
次にそれぞれの特徴について解説します。
まずは、複合機を直接購入する方法です。
初期投資が大きくなりますが、長期的な視点で見ると所有機器として経済的です。
購入することで機器を自己所有し、自由に利用できるため、長期的な運用を考える企業に適しています。
また、所有機器としての資産価値があるため、使用期間中は費用対効果が高い場合があります。
次に、月々に定額を支払って複合機をレンタルする方法です。
初期投資が少ないため、購入よりも負担が軽減されるのが特徴です。
しかし、長期的に見ると購入よりも総額が高くなることがあるため、短期間の利用に適しています。
最後に紹介するリースとは、購入とレンタルの中間の方法です。
複合機を一定期間利用し、その間にリース料金を支払い、一定期間が終了したら、機器を返却または買い取ることができます。
リースは購入よりも初期負担が少なく、機器の更新が容易です。
一般的な企業で複合機を導入する場合、ほとんどのケースでリースが採用されており、その理由としては、経費に計上でき資産扱いされないなどの経営上都合が良いからとされています。
次に、複合機の具体的な性能をご案内します。
複合機に備わっている主要な機能は、一般的に以下の4つになります。
1,印刷性能
2,機能性
3,料金
4,保守契約
これらのポイントに着目し、必要な性能を把握することで、オフィスに最適な複合機を選ぶことができ、作業プロセスを大幅に効率化することができます。
次に、それぞれの性能について詳しく解説します。
印刷性能とは、複合機が印刷作業をどれだけ効率的かつ高品質に行えるかを示す指標です。
・印刷解像度
解像度とは印刷のきめ細かさを示し、多くの複合機では600~1,200dpiで設計されており、一般的なオフィスでの業務であれば快適に作業することができます。
一方、高い解像度が求められるデザイン、設計、アートなどに関連する業種では、2400~4,800dpiまたはそれ以上が求められることもあります。
・印刷速度
印刷速度は、一定の時間内にどれだけのページを印刷できるかを示す指標です。
多くの文書を迅速に印刷する必要がある業務やプレゼン資料などの重要な文書を素早く準備するためには、高い印刷速度が求められます。
・カラー印刷
カラー印刷機能によってカラーでの印刷が可能になります。
デザイン業界などでは高い解像度が求められることが多く、クリアな文書や写真は、書類の品質を向上させる重要な要素になります。
・両面印刷
両面印刷は、1枚の紙の表裏の両面に印刷することを指します。
用紙の節約と環境への配慮に役立ちます。
・モバイル印刷
PCだけでなく、スマートフォンやタブレットからの印刷が可能になります。
コピー性能とは、複合機が文書のコピーを作成する際の品質や機能に関する性能を指し、オフィス環境で文書のコピー作成が円滑に行えるかどうかに影響を与えます。
・自動原稿送り
自動原稿送りとは、複数のページの文書や原稿を自動的にフィードして、連続的にスキャン、コピー、またはFAX送信できる機能です。
複合機の種類やメーカーによって一度にフィードできるページ数などが異なりますので、具体的な要件に合わせて選択すると良いでしょう。
・拡大縮小機能
拡大縮小機能を利用することで、コピーしたい文書のサイズを変更できます。
異なるサイズの文書をコピーする際に便利な機能です。
・両面コピー
一部の複合機は、両面コピー(両面印刷)をサポートしており、両面に印刷された文書をコピーできます。
これは用紙の節約やドキュメントのコンパクト化に役立ちます。
スキャン性能は、複合機が文書や画像をデジタル形式にスキャンする際の性能を指します。
・読み込み解像度
オフィスでは一般的に200~400dpiの解像度の複合機が使われています。
簡素な文書であれば200dpiで十分ですが、綺麗に読み込むためには300dpi以上あると良いでしょう。
・スキャン形式
複合機は、さまざまなスキャン形式(PDF、JPEG、TIFFなど)で文書を保存できます。
複合機の導入時には、必要なスキャン形式をサポートするかどうかを確認することが重要です。
・自動原稿送り
自動原稿送りは、複数ページの文書を連続してスキャンする際に便利な機能です。
一度に大量の文書を効率的に処理できます。
・カラースキャン
複合機は、カラーとモノクロのスキャンの両方をサポートすることがあります。
カラースキャンは、カラー画像や文書をスキャンする場合に必要です。
・スキャンソフトウェア
付属のスキャンソフトウェアがあるかどうかも重要です。使いやすく、高度なスキャン設定をカスタマイズできるソフトウェアが提供されていると便利です。
複合機のFAX(ファクシミリ)性能は、複合機がFAX通信を行う際の性能や機能を指します。
オフィスでFAX通信を頻繁に使用する場合、FAX性能は極めて重要です。複合機のFAX性能が高いほど、迅速かつ正確な通信が可能となり、業務プロセスの効率が向上します。
・送信および受信速度
FAX性能の重要な要素の一つは、FAX通信の速度です。
通常、FAXモデムは、一般的なファクシミリ規格(例:ITU-T T.30)に従って通信します。送信および受信速度は、通信相手のFAX機器との調整が必要です。
・FAX番号の管理
複合機は通常、複数のFAX番号を管理できます。個別のFAX番号を設定し、受信箱を分けたり、送信先を選択したりすることができます。
・電子メールとの統合
一部の複合機は、FAX通信と電子メールを統合する機能を提供しています。受信したFAXを電子メールに自動的に転送したり、電子メールをFAXとして送信できる場合もあります。
・ファイル形式のサポート
FAX通信の際、複合機は一般的なFAXファイル形式(TIFF、PDF)をサポートすることが一般的です。受信したFAXはこれらの形式で保存されることが多いです。
・セキュリティ機能
FAX通信におけるセキュリティは重要です。複合機は、FAX通信の暗号化、認証、送信ログの記録などのセキュリティ機能を提供することがあります。
・リモート管理
複合機のFAX機能をリモートから管理できると便利です。リモートでの設定変更やトラブルシューティングが可能な場合、運用がスムーズに行えます。
以上が複合機に備えられている主要な性能になります。
高性能な複合機ではほとんどの性能に対応している物もありますが、その分コストがかかってしまうため、自社に適切な性能を持った複合機を導入すると良いでしょう。
次に複合機のメンテナンス方法を紹介します。
複合機を快適に使用し続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
しかし、複合機には様々な機能が搭載されていることから、専門の知識を持った技術者でないと扱いが難しいところがあります。また、定期的なトナーの交換が必要で都度3万前後のコストを要し、故障した際は修理費が10万以上になるケースもあります。
そこで、複合機を利用している多くの企業は、保守契約というサービスを利用しています。
保守契約とは、複合機の利用者とサービスの提供者間で締結するサービスを指し、利用者が一定の料金を業者に支払うことにより、専門の技術者によるメンテナンス作業、出張修理対応、トナーの交換などのサービスを無料で受けることができます。
そのため、保守契約を結ぶことで業務への支障を未然に防ぐ効果は高いと言えるでしょう。
複合機は、オフィス内の作業プロセスを大幅に効率化できる優れたツールです。
印刷機能だけを考えると、コスト面ではプリンターの方が単価が低いことが多いですが、複合機は多機能性や統合性を考慮すると総合的なコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
また、複合機を導入する際は、オフィスの業務内容やニーズに合わせて考えることが大切です。
弊社では複合機導入のご相談だけではなく、導入後のアフターフォローとして保守契約も同時にご案内しているので、自社に合った製品をお探しの方は、是非お気軽にお問い合わせください。