ビジネスフォンとは、ビジネス環境で多く採用されているコミュニケーションツールのひとつです。 ボタンと受話器があることからただの電話と同じと認識されることが多いですが、一般家庭に使われている電話機と比較してみると、見た目から機能までまるで違う特徴を持っていることがわかります。 本記事では、ビジネスフォンの概要や一般電話と違うポイント、メリットとデメリットごとに分けて解説していきます。 今後、ビジネス用に電話機の導入を検討されている方は、電話機選びの参考に是非ご一読ください。
ビジネスフォンとは、通話の効率化を支援するため、ビジネス環境に特化した通話システムを採用したコミュニケーションツールです。
主装置と呼ばれる交換機に繋いだ業務用の電話機を使用することで、電話の転送や内線での通話等のビジネスシーンで役に立つ機能を活用することができます。
家庭で使用される様な一般的な電話機にも、通話以外に保留や録音、FAXの送受信など便利な機能が搭載されている機種も販売されています。
そのため、一見ビジネスフォンと大きな違いがないように見えますが、本質から全く異なります。
ビジネスフォンと一般電話機では、製造しているメーカーや販売店が異なります。
●一般電話機・・・・・家電メーカーが製造し、家電量販店で販売される
◆ビジネスフォン・・・専門メーカーが製造し、オフィス専門店で販売される
ビジネスフォンと一般電話機は、設置方法が異なり、同時に設置するまでの難易度が大きく変わります。
●一般電話機・・・・・多くの製品では、配線を本体へ接続するだけで設置が完了します。様々な機能が搭載されている製品も、付属の取扱説明書通りに設置・設定することで簡単に使用することができます。
◆ビジネスフォン・・・ビジネスフォンを使用するためには、通話システムを構築している主装置と呼ばれる交換機に接続し、使用環境に合わせてシステムをカスタマイズして使用します。そのため、個人で設置・設定することが難しく、ほとんどが専門的な知識を持った業者へ依頼します。
ビジネスフォンと一般電話機で最も違うポイントは機能になります。
●一般電話機・・・・・基本的に1回線しか利用することができず、通話中の際に着信があっても受けることができません。また、FAXの送受信中も通話することができません。
◆ビジネスフォン・・・複数の回線を接続することができ、同時に複数人で内線・外線の通話を共有することができます。
数々の問い合わせへの対応や複数人の従業員が使用する際は、回線を共有できるビジネスフォンを導入することで業務の効率向上に繋がります。
次に、ビジネスフォンの具体的な性能について見ていきましょう。
ビジネスフォンは、一般電話機にはない様々な便利機能があります。
頻繁に利用される機能を以下に紹介します。
・外線発着信
一般電話機同様に外部と通話することができますが、一般電話機と大きく違う点として複数の回線に対応できることが挙げられます。
・内線
内線機能はビジネスフォンならではの機能であり、電話機に内線番号を振り分けることで会社内のビジネスフォン同士を内線で繋ぎ通話することができます。
・保留転送
外部との通話を保留、または転送する機能です。この機能を利用することで、電話を受けた従業員から転送先の従業員へスムーズに取り継ぐことができます。
・通話録音
通話内容を記録することで聞き洩らしの防止やトラブルの防止、新人教育の教材としてなど、サービスの品質向上に活用されることが多いです。
・音声ガイダンス
音声ガイダンスとは、着信時に自動応答するシステムを指し、アナウンスや担当窓口への案内などを自動で行うことで、オペレーターの負担を軽減することができます。
・鳴り分け
番号ごとに鳴り分けの設定をすることで、着信番号を確認しなくても着信元や担当部署を把握することができます。
・CTI
CTIとは「Computer Telephony Integration」の略称で、着信があった顧客情報をパソコンに表示させるなどして、オペレーターの作業効率や対応品質の向上に役立ちます。
・構内放送
受話器に向けて話すだけで、オフィス内だけでなく、近隣の工場内にもアナウンスすることができます。そのため、電話機から離れた場所で作業している従業員への電話の取り継ぎもスムーズに行うことができます。
他にも様々な機能も搭載されていますが、以上が代表的なビジネスフォンの機能になります。
次に、ビジネスフォンを導入することで得られるメリットを見ていきましょう。
ビジネスフォンを導入することで、オフィスの電話環境が大幅に向上し、業務効率の改善やコスト削減が期待できます。主なメリットは以下の通りです。
・内線通話が可能:社内の電話機同士で無料の内線通話ができ、スムーズなコミュニケーションが実現。
・転送機能の活用:外線からの電話を担当者へ簡単に転送し、対応の迅速化が可能。
・複数回線の同時利用:複数人が同時に通話できるため、電話対応の待ち時間を削減。
・通話料金の最適化:IP電話やクラウドPBXの活用で、通話コストを大幅に削減可能。
・設備の拡張性:事業規模に合わせて柔軟に増設・設定変更ができ、無駄なコストを抑えられる。
・通話録音機能:応対品質の向上やトラブル防止に役立つ。
・音声ガイダンスの活用:着信時の自動応答で、顧客対応の負担を軽減。
・CTIシステム連携:着信時に顧客情報を自動表示し、スムーズな対応が可能。
ビジネスフォンの導入により、電話対応の効率が向上し、企業の生産性や顧客満足度の向上に貢献します。
また、メーカーごとに異なる特徴を持っているため、必要な機能とメーカーの特徴を考慮した上で導入する機種を選定すると良いでしょう。
ビジネスフォンのメーカーはいくつもあり、それぞれ異なる特徴を兼ね備えています。
ここでは、主要メーカー6社の特徴をご案内します。
1.NTT
NTTは拡張性に優れており、豊富な機能を兼ね備えていることが特徴です。
また、最大480台まで接続できる機種もあるため、中小企業だけでなく大企業からも人気の高いメーカーとなっています。
2.saxa
saxaはデザイン性に優れているのが特徴で、コンパクトで薄型のデザインが豊富なため、オフィスをスッキリとさせてくれます。
更にスマートフォンとの連携や社外から会社の電話番号を利用しての通話ができるため、コンパクトなオフィスや外出が多い企業に人気のメーカーです。
3.NEC
NECのビジネスフォンには、待機時間の長い電話を優先させるルーティング機能など、コールセンターでの使いやすさに特化しているのが特徴です。
更にスマートフォンとの連携も可能なのに加え、専用のネットワークを構築するためのVPN機能が標準搭載されているため、在宅勤務や出張先でも快適に利用することができます。
4.HITACHI
日立のビジネスフォンの最も大きな特徴としては、液晶画面が大きく操作性の良さにあります。
また、IP電話サービスに対応している機種が豊富で通話料金を削減しやすい点も人気を集めるポイントです。
5.IWATSU
IWATSUは他のメーカーと比べて求めやすい価格に設定されており、エコモードも搭載されていることからコストパフォーマンスに優れていることが特徴です。
他にもコードレスの機種も複数あることから、移動の多いオフィスにも適しています。
6.Panasonic
Panasonicは、高音質で操作しやすい設計と自動転送機能といったオフィスに必須の機能が標準で搭載されていることが特徴です。
IPネットワークで内線を繋いだり、環境を柔軟に構築することもできるため、社内での電話会議にも対応できます。
ここまで各メーカーごとの特徴を紹介しましたが、機種によって搭載されている機能が異なるため、自社のニーズに合ったビジネスフォンをお探しの場合は、専門の業者に相談すると良いでしょう。
本体を電話線に繋ぎ簡単な初期設定だけで使える家庭用の電話機と違い、様々な機能が搭載されている分ビジネスフォンを利用するためには専門的な対応が必要になります。
そのため、本体を購入するだけではなく、設置・設定をするための手続きも要します。
ビジネスフォンを利用するための手順は以下の通りです。
STEP1:お問い合わせ
まずは、ビジネスフォンの導入を検討されていることを専門業者へご相談ください。
現在のオフィス環境や、必要な電話機の台数、業務に求める機能(転送、内線通話、留守番電話、通話録音など)を伝えることで、最適な提案を受けることができます。
また、新規導入だけでなく、オフィス移転に伴う電話環境の変更や、既存のビジネスフォンのリプレイス(入れ替え)についてもご相談可能です。
STEP2:お見積り
お問い合わせ内容をもとに、業者が最適なプランを提案し、お見積りを作成します。見積もりには以下のような項目が含まれます。
・機器の費用(電話機、主装置、周辺機器)
・回線工事費(新規回線の引き込みや設定作業)
・設置・設定費用(ビジネスフォンの初期設定やカスタマイズ)
・オプション機能の追加費用(ボイスメール、クラウドPBX、スマホ連携など)
料金と導入内容に納得できたら、正式に工事の依頼を進めます。
STEP3:工事のスケジュール調整
導入が決定したら、工事の日程を調整します。オフィスの業務に支障が出ないよう、最適なタイミングでの施工を計画することが重要です。
特にオフィスの移転と同時に導入する場合は、回線工事や内装工事などと調整を行い、スムーズに開通できるようスケジュールを組みます。
STEP4:回線工事
ビジネスフォンを使用するための回線工事を行います。使用する回線の種類に応じて、以下のような工事が必要になります。
・IP電話(インターネット回線を利用):社内のネットワーク環境の確認・構築
・アナログ回線 / ISDN回線:回線の引き込み工事や配線作業
・クラウドPBX(クラウド上で電話管理):オンライン設定やネットワーク最適化
この工事は、回線事業者やビル管理会社との調整が必要になる場合があるため、早めの準備が推奨されます。
STEP5:ビジネスフォンの設置工事
回線工事が完了したら、ビジネスフォン本体の設置を行います。
・各デスクや会議室への電話機の配置
・主装置(PBX)の設置と設定
・内線番号や転送機能のカスタマイズ
・スマートフォン連携などのオプション設定
設置後は、従業員がスムーズに使用できるよう、基本的な操作方法のレクチャーを行うこともあります。
STEP6:お引渡し
設置工事が完了し、最終的な動作確認を行います。外線・内線の通話テストを実施し、問題がなければお引渡しとなります。
導入後のアフターサポートやトラブル対応についても、この段階で確認しておくと安心です。
運用開始後に設定の変更が必要になった場合の対応方法や、故障時の修理体制についても相談しておきましょう。
ビジネスフォンの設置工事では、希望の配置や設定に従って専門の作業員が設置します。
既に設置されたビジネスフォンの増設や移設、設定変更等も同様の流れで対応しています。
ビジネスフォンの設置は、基本的には業者が設置することを前提にしているので業者選びは大切です。
また、ビジネスフォンにはいくつものメーカーがあり、その中でも多くのモデルが展開されています。
機能や設定方法も多岐にわたり、オフィスの最適化には組織のニーズや状況に合わせた戦略が求められます。
そのため、設置前のご相談からアフターフォローまで対応している業者を選ぶと良いでしょう。
弊社では、オフィスに向けたワンストップサービスを提供しているため、ご相談からアフターフォローの他にも様々なお悩みに対応しております。
ビジネスフォンに関する疑問やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。