賃貸オフィスや店舗を一新する目的で行われるスケルトン工事ですが、比較的大がかりな工事になるため工事の流れや費用の相場、重要なポイントなどをあらかじめ把握することが求められます。 しかし、一般的な内装工事と混同してしまい概要を正しく認識できないなんてこともあるでしょう。 本記事では、スケルトン工事の概要、あらかじめ抑えておきたいポイントと一緒に紹介しています。 スケルトン工事を予定している方は是非ご参考ください。
スケルトン工事とは、設備はもちろん、壁、床、天井も全て撤去し、配管やコンクリートが剝き出しの状態まで戻す工事、その状態から内装を施す工事を指します。
建物を骨組みの状態まで戻すため「skeleton(骸骨)」と表され、他にも「スケルトン戻し」や「スケルトン仕上げ」とも呼ばれます。
物件の原状回復やリニューアル時だけではなく、老朽化した柱や梁の交換や建物の耐震性向上のために行われることもあります。
スケルトン工事と内装工事は、共に原状回復やリニューアルを目的として建物の内部で行う工事のため混同されやすいですが、両者には明確な違いがあります。
建物を骨組みまで解体するスケルトン工事に対し、内装工事は”目的に応じて”設備や壁、床、天井の解体をします。
したがって、内装工事はスケルトン工事に比べて施工範囲の幅が狭く浅いです。
賃貸借契約上で解約時にスケルトン状態への原状回復を指定されている場合を除いて、どちらの工事を適応するかは、希望する工事の範囲に応じて検討するといいでしょう。
次に内装工事には無いスケルトン工事の利点を紹介します。
スケルトン工事では、何もかも撤去し骨組みだけの状態まで解体するため、一般的な内装工事と比較して時間やコストをより多く必要とします。
しかし、スケルトン工事によってまっさらな状態にするからこそ得られる利点もあります。
スケルトン工事の最大の利点として挙げられるのが「デザインの自由度」です。
物件の骨組みだけの状態からデザインすることができるため、間取りから使用する設備、水道や配管・配線の位置までも指定することもでき、更には耐震や防音など環境を強化することもできます。
賃貸物件においては、契約条件の範囲以内での施工のみが認められていたりと制限が設けられていることもありますが、多くのケースではニーズに適ったデザインに施工することができます。
スケルトン工事のもう一つの利点は、老朽化した設備を撤去することにより設備トラブルを防止できることです。
居抜き物件などで古い設備を引き継ぎ利用し続けていると、経年劣化により設備が故障・破損することがあります。
故障・破損した設備の修理や入れ替えはコストと手間がかかるだけではなく、場合によっては営業を中止せざるを得ない可能性もあります。
スケルトン工事によって新しい設備を使うからこそ、こうした設備関係のトラブルを起こりにくくすることもできます。
これらの利点により、快適な環境を構築するためにはスケルトン工事は最も有効な手段のひとつになります。
しかし、大掛かりな工事になる分、一体どれほどの費用を要するのかイメージするのは難しいでしょう。
次にスケルトン工事でかかる費用の相場を紹介します。
「スケルトン工事」は、一般的にスケルトン状態へ戻すための解体工事を意味する言葉として使われますが、スケルトン状態から内装を仕上げる工事に対してもスケルトン工事と称されることもあります。
どちらもスケルトン工事と一括りにされますが、オフィスを解体するのと仕上げるのでは相場が大きく異なります。
スケルトンへの解体工事費用は、設備の数や構造などによって変動します。
解体する物の質量の他にも、立地や運搬経路など現場の環境も費用に影響することがあります。
坪単価にすると約3~5万程度になるケースが多いです。
スケルトンから内装設備工事を行う場合、一般的なオフィスではおおよそ坪単価10~30万程度が相場になります。
自由度が高いスケルトン工事だからこそ施工内容の幅が大きく、施工範囲の広さと工事内容の密度に比例して費用が変動します。
以上をスケルトン工事費の相場と紹介しましたが、前述の通りスケルトン工事は自由度が高い工事となるため費用のふり幅は大きいです。
また、工事期間も施工内容が大きく影響してくるため、専門的な知識を持っていない限り予算や工期を想定するのは難しいでしょう。
スケルトン工事を計画する際は、専門家を交えて設計やデザインの掘り下げをすることで細部を明確にし、よりスムーズに工事を計画することができます。
いくら自由度が高いとはいえ、何もない状態からデザインを設計しオフィスや店舗を作り上げていくのは大変なことです。
しかし、ゼロから自分たちの思い描く理想を作り上げていきたいという方には、スケルトン工事は非常に相性がいいと言えるでしょう。
弊社はこれまでにオフィスの専門家として数多くの実績を積んで参りました。
工事を計画しているけど、何から手を付ければいいのか等の広範囲なお悩みはもちろん、ここに造作物を作りたいなど限定的なご相談も承っております。
弊社の知識と経験を是非、皆様の理想を実現するためにお役立てください。