オフィスの書類が増えすぎて収納スペースが足りない、という問題を抱えていませんか? このような状況を解決するためには、書類の総量を具体的な数値で把握し、適切に管理することが重要です。その際に役立つのが「ファイルメーター」という考え方です。 本記事では、ファイルメーターの基本的な概念や計算方法、活用方法について詳しく解説します。またファイルメーターを活用することで、オフィスの整理整頓だけでなく業務効率の向上やコスト削減も目指しましょう。
ファイルメーターとは、書類やファイルの総量を「長さ(メートル)」で表した単位のことです。
オフィスで管理している書類がどれくらいのスペースを占有しているかを視覚的に把握できるため、収納スペースの見直しや書類削減計画を立てる際に役立ちます。
例えば、棚に並べたファイルの合計が2メートルであれば「2ファイルメーター」と表現します。
この指標は、書類管理の効率化やコスト削減を目指す際に欠かせないものです。
さらに、ファイルメーターを用いることで、物理的な書類量を数値化し、業務効率やスペースの最適化を図ることが可能になります。
1ファイルメーターは、一般的に使われるコピー用紙約10,000枚に相当します。
この量を基準に、自社の書類管理状態を見直すことができます。
たとえば、棚全体で10ファイルメーター分の書類がある場合、およそ100,000枚の書類がオフィスに保管されているということです。
ファイルメーターを計算する方法は非常にシンプルです。
オフィス内にある書類やファイルを保管している棚やキャビネットの総幅と段数を測定し、その合計を計算します。
以下のような状況を考えてみましょう:
– 棚A:幅90cm、段数3段
– 棚B:幅120cm、段数4段
– 棚C:幅150cm、段数4段
棚ごとの計算は次の通りです。
– 棚A:90cm × 3段 = 270cm
– 棚B:120cm × 4段 = 480cm
– 棚C:150cm × 4段 = 600cm
合計は270cm + 480cm + 600cm = 1350cm(13.5メートル)。
したがって、このオフィスのファイルメーターは13.5となります。
ファイルメーターが増えるほど、物理的なスペースが書類で占有されていることを意味します。
ファイルメーターは、従業員一人当たりの書類管理量を把握するための指標としても役立ちます。
計算方法は簡単で、オフィス全体のファイルメーターを従業員数で割るだけです。
オフィス全体のファイルメーターが12メートル、従業員数が10人の場合
12メートル ÷ 10人 = 1.2メートル(1人当たりのファイルメーター)。
この数値を基準に、各部署や従業員が管理する書類の適正量を判断することができます。
また、過剰に書類を保管している部署を特定し、削減目標を設定するのにも役立ちます。
ファイルメーターを活用すれば、書類削減の効率が向上し、以下のプロセスを取り入れることで、管理が一層スムーズになります。
1.現状の把握
まずは全体のファイルメーターを測定し、どの部署やキャビネットに書類が集中しているかを把握しましょう。
これにより、どのエリアの整理整頓を優先的に進めるべきかが明確になります。
2.書類の分類
次に、書類を「不要」「保管が必要」「電子化が可能」の3つに分けます。
特に「不要」に分類された書類は、適切な方法で迅速に廃棄しましょう。
3.目標の設定
ファイルメーターを基準に削減目標を設定しましょう。
たとえば、「全体のファイルメーターを20%削減する」といった具体的な目標があると、進捗管理が容易になります。
物理的な書類の削減を進めるためには、電子化が欠かせません。
紙の書類をスキャンし、デジタルファイルとしてクラウドストレージや社内サーバーで管理することで、大幅なスペース削減が可能です。
電子化のメリットには下記のようなものがあります。
検索性の向上:デジタル化された書類はキーワード検索が可能で、必要な情報を素早く見つけられます。
安全性の確保:電子化されたデータはバックアップが容易で、災害や紛失のリスクを軽減します。
環境への配慮:紙の使用量が減るため、環境負荷の軽減にもつながります。
電子化を進める際には、スキャナーや専用ソフトウェアの導入が必要ですが、長期的にはコスト削減効果が期待できます。
オフィスの書類の電子化については下記の記事でも詳しくご紹介しています。
是非ご覧ください!
→オフィスのペーパーレス化ってなに?メリットや導入の手順を解説します!
書類管理の効率化を継続的に実現するためには、ファイルメーターを監視する専任チームや担当者を設けることも有効です。
担当を配置し、下記のような管理を行います。
・定期的なファイルメーターの測定と報告
・書類削減目標の設定と進捗確認
・社内の書類管理基準の策定と教育
この取り組みにより、オフィス全体で統一感のある書類管理が可能となります。
ファイルメーターは、オフィスの書類管理を効率化するための有力な指標です。
この考え方を活用すれば、物理的なスペースの節約だけでなく、業務効率やコスト削減といった多くのメリットを得ることが可能です。
特に電子化やペーパーレス化と組み合わせることで、持続可能なオフィス環境の実現が期待できます。
まずはオフィスの現状を数値化して把握し、ファイルメーターを基準に改善計画を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。