事務所の床材は、オフィスの印象や機能性に大きな影響を与える重要な要素です。適切な床材を選ぶことで、従業員にとって快適な作業環境を作り出し、来客に良い印象を与えることができます。しかし、床材にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握しないまま選んでしまうと、後悔につながることも。 本コラムでは、事務所で使用される代表的な床材の種類や選び方のポイント、貼り換えの流れまで、詳しく解説します。事務所の床材選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
事務所で使用される床材には多くの種類がありますが、それぞれ特徴や用途が異なります。
代表的なものとして、以下のような種類が挙げられます。
・タイルカーペット
タイルカーペットは、四角形や長方形のカーペットを1枚1枚つなぎ合わせて施工する床材です。
一般的に50cm×50cmのサイズが主流で、オフィスや商業施設で広く採用されています。
敷き詰めることで一体感を生み出すことができ、デザインのバリエーションが豊富です。
部分的な交換が可能で、汚れた部分だけを取り替えることができる点が特徴です。
・フロアタイル
フロアタイルは、ビニールやPVCなどの硬質素材でできたタイル状の床材です。
木目調や石目調など、見た目がリアルに再現されたものが多く、オフィスの雰囲気に合わせた選択が可能です。
タイルカーペットと異なり、硬質な質感が特徴で、水汚れに強く耐久性に優れています。
・長尺シート
長尺シートは、ロール状のシートを床全体に敷き詰める床材です。
名前の通り、長いシートをそのまま使用するため、継ぎ目が少なくきれいに仕上がります。
医療施設や工場、学校など、広い範囲で使用されることが多く、清掃が容易で衛生的な環境を維持しやすい点が魅力です。
・フローリング
フローリングは、天然木や合成木材を使用した板状の床材です。
木の温かみや自然な風合いが特徴で、エントランスや会議室など、来客が多い場所に適しています。
種類によっては防音性や耐久性を備えたものもあり、デザイン性が高いことが特徴です。
事務所の床材には、それぞれ異なる利点があります。
以下に、それぞれの床材が持つメリットを詳しく解説します。
・タイルカーペットのメリット
部分交換が可能・・・汚れや破損が発生しても、該当部分だけを交換したり、洗うことができ、メンテナンスが簡単です。
デザインの自由度が高い・・・豊富な色やパターンから選べるため、オフィスのインテリアに合わせた様々なアレンジが可能です。
防音性に優れる・・・柔らかい素材でできているため、足音を吸収し、静かな環境を維持しやすいです。
・フロアタイルのメリット
高い耐久性・・・硬質素材で作られているため、長期間使用しても摩耗しにくいです。
水や汚れに強い・・・水分や油を扱うエリアでも問題なく使用でき、掃除が簡単です。
多様なデザイン・・・木目調や石目調など、リアルなテクスチャのものが多くあり、他にはない高級感を演出することができます。
・長尺シートのメリット
継ぎ目が少ない・・・一枚のシートで広範囲をカバーできるため、継ぎ目がほとんど目立ちません。
清掃が容易・・・継ぎ目が少ないためゴミや汚れが溜まりにくく、日常的な掃除が楽です。
・フローリングのメリット
高級感のある見た目・・・木材の風合いがオフィス全体に温かみと品格を与えます。
掃除が簡単・・・汚れを拭き取りやすく、清潔を保つのが容易です。
耐久性・・・高品質のフローリングは傷がつきにくく、長持ちします。
床材選びにはメリットだけでなく、それぞれのデメリットも考慮する必要があります。
以下に、各床材の弱点を挙げます。
・タイルカーペットのデメリット
湿気に弱い・・・湿度の高い場所ではカビが発生しやすく、劣化の原因になります。
掃除が難しい場合がある・・・汚れが繊維に入り込むと、完全に除去するのが難しいことがあります。
特に水汚れは染み付いてしまうことがあります。
・フロアタイルのデメリット
硬い感触・・・歩行時に硬さを感じるため、立ち仕事が多い環境には不向きです。
温かみが少ない・・・素材の特性上、視覚的にも物理的にも冷たく感じることがあります。
・長尺シートのデメリット
見た目の自由度が低い・・・他の床材に比べてデザイン性に乏しい場合があります。
補修が難しい・・・シートで施工するため部分的なダメージが発生すると、一部だけの補修が難しい場合があります。
・フローリングのデメリット
傷がつきやすい・・・硬い物を落としたり、重い家具を引きずったりすると表面に傷がつくことがあります。
コストが高い・・・天然木を使用する場合、費用が他の床材に比べて高額になることがあります。
事務所の床を貼り換える際には、計画から施工までのプロセスをしっかりと把握しておくことが重要です。
以下は、一般的な流れです。
1.現状調査
まず、現在使用している床材の状態を確認します。
傷や汚れ、劣化の程度をチェックし、必要に応じて下地の状態も確認しましょう。
この段階で専門業者にも現地調査を依頼することで、より正確な情報を得られます。
2.床材選定
事務所の用途やデザインのコンセプトに基づき、最適な床材を選定します。
耐久性、清掃のしやすさ、デザイン性、予算など、さまざまな要素を考慮して選ぶことが重要です。
また、床材のサンプルを取り寄せて実際に確認することも大切です。
3.施工計画の策定
床材を選定したら、次に施工計画を立てます。施工業者と相談し、スケジュールや予算を明確にします。
オフィスの稼働状況や業務への影響を最小限に抑えるため、什器の移動や工事時間帯の調整も必要です。
4.施工
専門業者による施工が始まります。
この際、下地の補修が必要になる場合もあります。
床材を均一に貼るためには、高い技術が求められるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。
5.完成検査
施工が完了したら、最終的な仕上がりを確認します。
床材がしっかりと貼られているか、継ぎ目や仕上がりに不備がないかをチェックします。
不備が見つかった場合は、すぐに対応を依頼しましょう。
事務所の床材を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくと失敗が少なくなります。
・耐久性
オフィスでは毎日多くの人が出入りし、デスクチェアやコピー機などの重量物が頻繁に動かされるため、床材には高い耐久性が求められます。
特に出入口や通路など、人の往来が多い箇所では、摩耗や汚れに強い素材を選ぶことが大切です。
また、すべてのフロアを同じ素材で統一するのではなく、執務スペース、会議室、エントランスなど、エリアごとの用途に応じて床材を使い分けることで、機能性だけでなく空間の印象にもメリハリが生まれます。
たとえば、エントランスには高級感のあるタイルカーペット、会議室には落ち着いた色味のフローリングなど、用途と雰囲気に応じて選ぶのがおすすめです。
・清掃のしやすさ
オフィスでは、飲み物のこぼれやほこり、靴の汚れなど、日常的に床が汚れるシーンが多く発生します。
そのため、掃除のしやすさも床材選びの大きなポイントです。
表面がフラットで拭き取りやすいビニル系床材や、汚れが染み込みにくいコーティング加工の施された素材などを選ぶと、日常の清掃がスムーズになります。
定期的なワックスがけや専門的なメンテナンスが必要かどうかも事前に確認しておくと、後々の手間を大幅に削減できます。
・デザイン性
床材の色や素材感は、オフィス全体の雰囲気を左右する重要な要素です。
企業のブランドイメージや理念に合ったデザインを選ぶことで、社員のモチベーション向上にもつながりますし、来訪者に与える第一印象も大きく変わります。
例えば、クリエイティブな職場には明るくポップな色合い、信頼性を重視する企業には落ち着いたトーンなど、業種や社風に合った演出が可能です。
床は面積が大きく目に入りやすい分、空間全体の印象に大きく影響します。
・コスト
床材の選定では、当然ながら予算の範囲内での選択が必要になります。
ただし、初期導入費用の安さだけにとらわれず、メンテナンス費用や耐用年数なども含めたトータルコストで比較することが重要です。
安価な床材を選んだ結果、数年で劣化して張り替えが必要になれば、かえってコストがかさむ場合もあります。
長期的な視点で、耐久性・メンテナンス性・交換頻度などを含めて検討することが、結果としてコストパフォーマンスの高い選択につながります。
床の色は、オフィスの雰囲気に大きな影響を与えます。明るい色の床材は開放感や清潔感を演出し、暗い色の床材は落ち着いた印象や高級感を醸し出します。
汚れの目立ちづらさや、歩行感なども重要です。色選びは、事務所の用途や目的に応じて慎重に行いましょう。
事務所の床材は、単なる機能性だけでなく、企業のイメージや職場の雰囲気を大きく左右します。
用途やデザイン、予算に合わせて適切な床材を選び、清潔で快適な環境を整えることで、従業員の生産性向上やクライアントへの良い印象を与えることが可能です。
床工事をご検討の方はぜひアルファーテクノまでご連絡ください!
豊富な知識と提案力で、ご対応させていただきます。